はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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幻のねぎま鍋

夫の友人をもてなす為に、久々にリキ入れて料理を作った。
ラタトゥイユ、ケッパー入りオリーブオイルのポテトサラダ、蛸の香味野菜サラダ、トマトのブルスケッタ、蓮根とズッキーニとエリンギのにんにく炒め、最後はねぎま鍋で締めくくった。ポテトサラダには庭のアップルミントを飾り、蛸サラダではテーブルで熱したごま油をジュッと音を立てて回しかける演出にも挑戦した。
だが何と言ってもラストのねぎま鍋が絶品だった。鍋にはすまし汁を倍にした濃さの汁を用意し、千切りの生姜にぶつ切りの葱。葱に少し火を通したところで鮪の刺身をぶつ切りにしたものを入れる。鮪は生で食べられるので、葱も鮪もお好みの硬さまで煮て、それを生卵に付けて食べる。
「葱が美味しいね」「うん。葱だね」「葱だ」
主役のはずの鮪より人気は葱だった。鍋いっぱいの葱はすぐに無くなった。翌日も3人で「あの葱は美味しかった」と言い合う程、描写の言葉が追いつかないくらいに美味しかった。
「幻の鍋になるかも」わたしは考えた。
夫の友人がライトなビール好きなわたしために買ってきてくれたバドワイザーを、わたしは6缶すべて気持ちよく空け、ふたりは白から呑み始め、赤ワインを3本空けた。
3人ともすっかり酔っていて、お腹もいっぱい。なのに5本切った葱をさらに切り足すほど食べた。あの鍋は、気持ちよく酔った時にだけ食べられる小人が魔法の粉を振りかけた1品だったのかも。
柔らかく煮た葱が美味しい季節。鮪ブロック安売りの時に是非お試しあれ。

幻のねぎま鍋の写真はありません なにしろ幻なので
いえいえ 食べるのに夢中で誰も写真に収めていなかっただけです

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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