はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
冷たいキッチンに立つときに
今は大学生の末娘が小学校高学年だった頃、二人だけの夕飯というシーンが度々あった。子ども達が幼かった頃には食事時はテレビを観ないと決めていたが、それも3人目の子育てが落ち着いたその頃にはすっかり忘れてしまった。
彼女はNHKの子供向けバラエティ『天才てれびくん!』が大好きで、二人夕飯を食べながら観ては、楽しくおしゃべりして笑ったことを思い出す。
その『天才てれびくん!』どんなことをやっていたのかと聞かれてもほとんど霧の中だが、一つだけくっきりと記憶に残っていることがある。
質問に対して、同じチームのメンバーの答が同じだとポイントがもらえるというゲームだったと思う。冬だった。
「寒―い日に、温まりたい。家のなかだったら、どこへ行く?」
「ストーブの前」「炬燵」「布団のなか」「お風呂」
ありきたりの答が勝利を呼ぶ。だがそこで末娘と同じ年頃の女の子が言った。
「台所!」
その答えを、今でも思い出すのだ。朝、冷たいキッチンに立ちやかんをかけるときや、味噌汁がやわらかい湯気をあげたときなんかに、その上に冷たくなった手をかざして。
朝起きて、まだ部屋が温まらないうちに、彼女はお母さんが立つ台所へ真っ先に行ったのだろうなあ、などと考える。それとも、夕方冷たくなった頬を真っ赤にして帰ってきて、やはり真っ先に台所へ行き、その日あった出来事などをお母さんに話したのかも知れないと。
記憶というのは不思議なもので、今でも冷たいキッチンに立つときに、そのときの女の子の回答が、末娘と過ごした温かな時間と相まって、わたしを温めてくれている。人の思いというものの、温度を感じる瞬間である。
もちろん彼女の答は誰とも一致せず、1ポイントも貰えなかったのだが。
水菜と椎茸の味噌汁に、暮れにいただいた柚子をたっぷり入れて。
我が家では、味噌汁を作るのは朝ご飯だけ。冬は特に美味しいですね。
彼女はNHKの子供向けバラエティ『天才てれびくん!』が大好きで、二人夕飯を食べながら観ては、楽しくおしゃべりして笑ったことを思い出す。
その『天才てれびくん!』どんなことをやっていたのかと聞かれてもほとんど霧の中だが、一つだけくっきりと記憶に残っていることがある。
質問に対して、同じチームのメンバーの答が同じだとポイントがもらえるというゲームだったと思う。冬だった。
「寒―い日に、温まりたい。家のなかだったら、どこへ行く?」
「ストーブの前」「炬燵」「布団のなか」「お風呂」
ありきたりの答が勝利を呼ぶ。だがそこで末娘と同じ年頃の女の子が言った。
「台所!」
その答えを、今でも思い出すのだ。朝、冷たいキッチンに立ちやかんをかけるときや、味噌汁がやわらかい湯気をあげたときなんかに、その上に冷たくなった手をかざして。
朝起きて、まだ部屋が温まらないうちに、彼女はお母さんが立つ台所へ真っ先に行ったのだろうなあ、などと考える。それとも、夕方冷たくなった頬を真っ赤にして帰ってきて、やはり真っ先に台所へ行き、その日あった出来事などをお母さんに話したのかも知れないと。
記憶というのは不思議なもので、今でも冷たいキッチンに立つときに、そのときの女の子の回答が、末娘と過ごした温かな時間と相まって、わたしを温めてくれている。人の思いというものの、温度を感じる瞬間である。
もちろん彼女の答は誰とも一致せず、1ポイントも貰えなかったのだが。
水菜と椎茸の味噌汁に、暮れにいただいた柚子をたっぷり入れて。
我が家では、味噌汁を作るのは朝ご飯だけ。冬は特に美味しいですね。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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