はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[906]  [905]  [904]  [903]  [902]  [901]  [900]  [899]  [898]  [897]  [896

八ヶ岳おろしに混じる雪

八ヶ岳から吹き下ろしてくる強い北風を、八ヶ岳おろしと呼ぶ。
八ヶ岳おろしが、林の木々をキィーキィーと鳴らし、広葉樹のしがみついていた葉を吹き飛ばし、家じゅうを揺らした翌朝、八ヶ岳で一番高い赤岳には、雪が積もっていた。
「おー、雪だ」夫のその言葉は、テレビに映った札幌に降った雪のことを指していたのだが、わたしはつい、窓の外を見てしまった。
晴れた朝、雪が降ると思っていた訳ではない。八ヶ岳おろしに、雪が混じり舞ってきたのかと思ったのだ。

「冬が、来たね」と、わたし。「嫌だね」と、笑いながら夫。
「嫌だねぇ。でも今年は、びっきーがいないから、寒いなか外を歩く機会は、ずいぶんと減るね」と、わたし。
びっきーが死んでから、もうすぐ1年になる。
びっきーと一緒に、八ヶ岳おろしに混じる雪を頬に受けながら歩いた日々。
今は、心にともった灯りのように、温かい気持ちで思い出せる。
雪の上をサクサクと、音を立てて歩くのが大好きだったびっきー。もしかすると今頃、冬を先取りして、雪の赤岳を散歩しているかも知れない。
そう思った瞬間、北風にびっきーの匂いを感じた。

一昨日の八ヶ岳です。木枯らしを吹かせる雲がかかっていました。

そして、昨日の朝。最高峰赤岳は、すっかり雪化粧しています。

夕方には、権現岳も、顔を出しました。

一方、南アルプス連峰は、雲一つなく、のんびりと八ヶ岳の雪を、
眺めているかのようです。すがすがしい表情をしていました。

山里では、そろそろ柿もおしまい。重そうに枝をたれていました。

拍手

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe