はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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珈琲ミステリー

行ってみたい珈琲屋ができた。しかし残念ながらこの世にはない。
『萩を揺らす雨』(文春文庫)吉永南央の物語の中で、素敵に描かれている珈琲屋だ。珈琲屋と言っても扱うのは豆のみで、試飲の珈琲は1杯に限り無料。珈琲豆の他にはあちこちの焼き物の里から仕入れた和食器を置いていて、珈琲好き&和食器大好きなわたしには、夢のような店だ。扉をくぐれないのが全く残念でしょうがない。
その珈琲屋「小蔵屋(こくらや)」を営むのは76歳の草(そう)さん。小粋なおばあちゃんだ。その草さんが日常の謎を解き明かす連作短編集だというので手に取った本だ。
なにしろ、珈琲、和食器、コージーミステリーと、好みのものが揃いも揃っている。お宝発掘! と浮き浮きしつつ文庫を衝動買いした。草さんは無料の珈琲目当てに来る客達の会話から街で起こっている事件に気づき、性分から放っておけなくなり様々な事件を追い始める。連作短編を追ううちに草さんのこれまで生きてきた道のりやドラマが見え隠れするのも面白い。面白く、また切なく胸を突かれたりもする。
コージーミステリーは、居心地のいい居間で紅茶と焼き菓子を味わいつつ読むのにぴったりした軽いミステリーだと言われている。しかし小蔵屋には、やはり珈琲が似合っている。草さんの生きてきた道のりが甘くはなかったように、苦みもたっぷり含んだ珈琲がお似合いだ。夫用に買った酸味系ではないブラジル産の豆を挽いてドリップし、またページをめくった。
春になったら、焼き物の里を訪ねる旅をしたいと思っています。
気に入った陶器をひとりゆっくり探して歩きたい。
そんな旅にずっと憧れていました。子離れの旅?

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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