はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『大統領の料理人』のファルシ

映画『大統領の料理人』をDVDで観た。
映像とサウンドのアクセントの一致が、とても素敵な映画だった。
フランスの片田舎で小さなレストランを営む女性シェフ、オスタンス。調理法はもちろん、素材に強くこだわりを持つ彼女は、大統領が求めた「おばあちゃんの味」を再現するため、スカウトされる。ミッテラン大統領と女性シェフの実話をもとにしたストーリーだ。
長く務めるシェフ達との確執なども描かれていたが、何より楽しめたのは、いいモノを創り上げようとするオスタンスと彼女のチームの姿勢だった。

そして、とても好きだったのは、オスタンスの助手、ニコラの台詞。
試作し続けたチーズ料理、ジョンシェを厨房で試食するシーンだ。
「ジュレが多すぎない?」と言うオスタンスに「これでいい、これだからいい」と説明する。そして、口に入れてうっとりと言う。
「これを食べると、子ども時代がよみがえる」
オスタンスの人としての魅力を理解し尊敬して成長していく彼の姿は、この映画の大切なスパイスになっていた。ジョンシェは他のシェフ達とのトラブルで、大統領の口には入らず幻の一皿となったが、試行錯誤し創り上げた昼食会の料理を食べた大統領は、ニコラと同じ言葉でオスタンスに礼を言う。
子どもの頃に何を食べたかを、身体が覚えているってことなんだろうな。それって、じつはとても大切なことなのかも。

映画のなかの料理は、もちろんものすごく美味しそうだった。だけど、日本の家庭じゃあ作れそうにないものばかり。ポルチーニやトリュフなど入手できない素材も多く、味すらも想像できない料理も多かった。そのなかで、唯一作れそうだと思ったのが「きゃべつとサーモンのファルシ」だ。
「今夜は、ワインかな」
夫がそう言って出勤していったので、ワインに合うことは間違いなさそうだしと、昨夜、挑戦してみた。まさかそれを食べ、子ども時代はよみがえらないだろうと思っていたのだけれど、子どもの頃、弟と鮭缶の背骨を取り合って喧嘩しつつ食べたことを、思い出したのだった。

「きゃべつとサーモンのファルシ」というより、
「きゃべつと鮭の重ね蒸し」になってしまいました。

全体像です。ふきんに包んで、ベジブロスで茹でました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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