はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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叢雲(むらくも)迷う夕べにも

昨日の早朝、夫を駅まで送る時間、春らしからぬ雲が空を泳いでいた。
「春なのに、うろこ雲?」と、わたし。うろこ雲は、秋の雲ではなかったか。
「うろこ雲が浮かぶと、雨が降るらしいよ」とは、夫。

帰宅してから、空の事典とも言える『空の名前』(光琳社出版)の雲のページを開いてみた。窓から見える雲とうろこ雲の写真を比べてみると、ずいぶんと雰囲気が違う。うろこ雲は、低気圧が近づいたときに現れる巻積雲という種類の雲で、夫が言った通り、雨の予兆となることも多いらしい。
しかし、窓から見える雲にいちばん近い雰囲気を持つ写真は、高積雲だった。予報を見ても雨が降る様子はないし、たぶん高積雲だろうと推定。高積雲のなかには、鯖雲、羊雲などもあったが、叢雲(むらくも)に近い感じだ。
叢雲、群がり立つ雲の説明文には、『源氏物語』に「風騒ぎ 叢雲迷う 夕べにも」と使われている、とあった。続きは「忘るる間なく 忘られぬ君」風に叢雲が乱れる夕べでも、あなたのことを片時も忘れられない、のような意味らしい。乱れ迷うモノと、一途な迷いのない気持ちが対照的な歌だ。その乱れ迷うモノの象徴として、叢雲が使われているのだった。

叢雲らしき雲は静かに形を変え、3時間も経つと空が見える部分の方がわずかとなった。乱れ迷う様子もなく、深呼吸でもするかのようにゆっくりと空を覆っていく雲達。その様をぼんやりと見ていたら、日々の細かな迷い事などは、次第に小さくなっていき、やがては消えていくもののように思えてきた。

定点観測地で朝7時過ぎに撮影。風はなく雲もじっとしていました。

午前11時過ぎには、こんな感じに雲が広がりました。

同じく11時過ぎの富士山側の雲。我が家からだと南側になります。
韮崎駅に向かう農道で。ちょうどお田植えの真っ最中でした。

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水月さえ
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自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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