はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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飛騨高山の古い町並み

氷見に行った帰り、飛騨高山に寄った。
気ままな車の旅なので全く予定はしていなかったが、帰る日の朝、夫が急にそっちを通ってみようと言いだしたのだ。
じつは飛騨高山は、何度か行こうと計画しながら計画段階でだめになったことのある土地である。だが、だめになったことは覚えていても、それ以外のことはふたりとも全然覚えていなかった。
ただ、何度計画してもだめになる。それだけは脳に強くインプットされていたため、わたしは今回も、計画倒れ歴に飛騨高山素通り歴がプラスする感じになるのだろうと思っていた。
「どうして何度も行けなくなったのか、すっかり忘れちゃった」と、わたし。
「そもそもどうして、飛騨高山に行こうと思ったのかさえ忘れた」と、夫。
そんな話をしつつ走っていたそこは、もうすでに飛騨高山なのだったが、ごく普通の家並みやスーパー、ドラッグストアなどが並ぶ国道で、味わいも何もなく、ここを通り過ぎればまさに素通り歴プラス1とカウントするにふさわしい場所に思えた。
すると道標に「古い町並み」とかいてあるのが目に留まった。
「行ってみる? でもさ、本当に古い町並みがあるのかな?」と、夫。
「そうだね。古い町並みっていう名前の新しい町だったりして」と、わたし。
飛騨高山に疑心暗鬼になっている、わたし達ならではの会話である。

しかし、そこには確かに古い町並みが広がっていた。なんと、計画も倒れず素通りにもならず、飛騨高山に足を踏み入れることができたのだ。
車を停め小一時間、のんびり歩いて店を冷やかし、ランチに蕎麦屋の暖簾をくぐり、外国人観光客のように写真を撮ったりした。忘れた頃にやってきた飛騨高山。そこは、黒に近い茶色で塗られた外板の家が並ぶ、もう一度訪ねたいなと思うような味わいのある町だった。ずっと行けなかった場所に、こんなに簡単に「ちょっと寄り道」ができるなんて思ってもみなくて、もう驚きだった。

だが、旅の驚きはそれで終わりではなかった。帰って来て明野の風景を見て、運転していた夫が吹きだした。
「氷見よりも、飛騨高山よりも、田舎だ」「本当だ」
旅はいい。最後には家に帰ることができる、何よりそれがいい。そう言ったのは、誰だったか。
見慣れたいつもの風景が、洗い直したように新鮮に見えてきたのである。

お茶とお茶道具のお店。川沿いの橋がかけられた場所にありました。

油屋さん? お店は閉まっていました。昔の看板かな。

甘味屋さん、漬物屋さんなども多くありました。

昼食を食べたお蕎麦屋さん、お洒落な雰囲気の『のの花』

冷たいおろし蕎麦。箸置き一つ見ても陶器にこだわっている!という感じ。
飾りやランプシェードなどにも、様々な陶器を使っていました。
蕎麦も手打ちで、蕎麦らしい味がしました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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