はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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遥か彼方に見える微かな光に向かって

夏休みもそろそろ終わりであるが、駅でもスーパーでも、子どもをよく見かける。幼い子ども達はパワーが有り余っているらしく、意味もなく走っていることも多々ある。全力で、まったくいったい何処へ向かっているんだろうと、今はただ感心するのみだ。

走る子どもを見て、思い出すことがある。
幼稚園の運動会。わたしは5歳くらいだっただろうか。かけっこで転び、痛さと情けなさがないまぜになり泣き出して、そのままトラックの外にいた母のもとへと走ってしまった。
「ゴールまで走ればよかったのに」と、母。
その言葉に傷つき、余計に泣きじゃくった記憶がある。

しかし自分が母親になると、母がそう言わずに居られなかった気持ちもよくわかる。だがもしも同じことが起こったら、何も言わず子ども達を抱きとめようとも思っていた。それを期待していた訳ではなかったが期待に添わず、3人の子ども達は運動会の徒競走で転ぶことなく、毎年ぶじゴールを切った。

末娘が大学生になった今、思う。ゴールは何処でもいいと。
走る速さもゴール地点も、それぞれでいい。誰かが定めたものではなくとも、多くの人に認められるようなもではなくともいいのだ。そしてたどり着く場所は、決してわたしのもとではないだろう。
わたし自身まだまだ、ゴール地点など見えるか見えないかの遥か彼方にある。それは微かな光であるとしか判りようもないが、ただ静かな心持ちで、遠く見えたり見えなかったりする光を目指し、自分のペースで歩いている。

アジアン雑貨屋で見つけたLED電池のライトは、
光が微か過ぎてライトの役割は果たしていませんが、お気に入りです。
photo by my husband

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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