はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
蓮池と左右についての考察
ずっと探していた蓮池を見つけた。
去年の夏、テレビで大輪の蓮がいくつも花ひらく様が放映された。しかしテレビでは、あまり大勢の人が来ても困ると口止めされていたのか場所を特定せず、ただ娘が毎朝使う無人駅の地名だけを言うにとどめていた。
「見たいね」「蓮って素敵だよね」
昨夏、娘と話し、朝彼女を送った後にフィットを走らせて探し回った。けれど、探しても探しても蓮池はなかった。そうこうしているうちに夏は終わり、蓮池の話は忘れてしまった。
ところが冷たい冬に、突然蓮池らしき場所を見つけた。たまたま、いつもと違う道を走っていた。
「右だったのか」
わたしは、ひとりごちた。なぜか駅の左側ばかりを探していたのだ。方向音痴のあてにならない勘と言うやつだ。
もともとわたしは、右と左がわからないという特技を持っている。
「そこ右に曲がって」
運転中、夫に言われると50%の確率で左に曲がる。
「あーもう、なんで右と左がわからないの?」
「うーん。なんでだろうねぇ」
わたしは、永遠に笑ってごまかし続ける。
子どもの頃は左手の甲の真ん中にほくろがあって、左右を判断しなくてはならない場面に立った時、そっと左手を見る癖があった。しかしそのほくろも、年月とともに消えてなくなり、左右を判断する材料がなくなってしまった。
わたしにはもう、右も左もわからない。
それでも蓮池は見つかった。蓮の季節はこれからだ。来週の晴れた日にでも朝15分早く出て、娘と一緒に蓮をながめよう。 大輪の花を咲かせる大賀蓮(おおがはす)
去年の夏、テレビで大輪の蓮がいくつも花ひらく様が放映された。しかしテレビでは、あまり大勢の人が来ても困ると口止めされていたのか場所を特定せず、ただ娘が毎朝使う無人駅の地名だけを言うにとどめていた。
「見たいね」「蓮って素敵だよね」
昨夏、娘と話し、朝彼女を送った後にフィットを走らせて探し回った。けれど、探しても探しても蓮池はなかった。そうこうしているうちに夏は終わり、蓮池の話は忘れてしまった。
ところが冷たい冬に、突然蓮池らしき場所を見つけた。たまたま、いつもと違う道を走っていた。
「右だったのか」
わたしは、ひとりごちた。なぜか駅の左側ばかりを探していたのだ。方向音痴のあてにならない勘と言うやつだ。
もともとわたしは、右と左がわからないという特技を持っている。
「そこ右に曲がって」
運転中、夫に言われると50%の確率で左に曲がる。
「あーもう、なんで右と左がわからないの?」
「うーん。なんでだろうねぇ」
わたしは、永遠に笑ってごまかし続ける。
子どもの頃は左手の甲の真ん中にほくろがあって、左右を判断しなくてはならない場面に立った時、そっと左手を見る癖があった。しかしそのほくろも、年月とともに消えてなくなり、左右を判断する材料がなくなってしまった。
わたしにはもう、右も左もわからない。
それでも蓮池は見つかった。蓮の季節はこれからだ。来週の晴れた日にでも朝15分早く出て、娘と一緒に蓮をながめよう。 大輪の花を咲かせる大賀蓮(おおがはす)
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)