はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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窓の向こうに

夫が赤坂見附での個展に行き、珈琲カップを買ったということは聞いていた。
「これまでとは違った趣向なんだ」「ふうん」
彼が嬉しそうに話すのを、やっかみ半分ふくれて聞いた。
「窓に影が映ってるんだけど、それが何かはっきりわからなくて、想像がふくらむんだよなぁ」「ふうん」
「一目で、これだって思ったんだ」「ふうん」
悔しい。わたしだって行きたかったのに、東京は遠い。近くて遠いのだ。一緒に行って一つずつ手に取って選びたかったのに。

しかし、その珈琲カップを創った陶芸家は、とても近くに住んでいる。歩いて1分とかからない。キイロスズメバチに一時に8カ所刺された経験を持ち、珈琲の焙煎もする多趣味で日本野鳥の会所属のご近所さんだ。
彼は個展を終え、「窓」を持って来てくれた。
夫が話していた言葉に納得する。窓に映る影は見方によって姿を変える。まるで月に見え隠れするうさぎの影のごとし。
明日はご近所さんが焙煎してくれたパナマ・ゲイシャを淹れて飲んでみよう。
窓の向こうには、何が映るのだろうか。楽しみだ。

photo by my husband
ご近所さんのブログはこちら→このはずく山麓記
彫金作家の奥様とのアートな日々を綴っています。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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