はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
日和見フィット
冷え込んだ朝、車中での娘との会話。
「あれ? フィットの外気温表示、3℃になってる」とわたし。
「嘘だぁ。そんなわけないよ、こんなに寒いのに」と娘。
「だよねー」「おかしいねー」と話して、ふと見ると表示が-3℃に。
「あー、やだなぁ。フィット、あわてて修正した」と娘。
「嘘がバレて誤魔化したね、今の」とわたし。
翌日はいきなり-6℃だった。
「うわっ、正直すぎるでしょう」とわたし。
「思いやりが欲しいね」と娘。
「正論を言うやつは嫌われるんだよ」
「せめて-4℃くらいにするのが常識だな」
「あ、-5℃になった」「無言で、しっかり聴いてるし」
朝の寒さに切れて、ふたりフィットに言いたい放題だ。それにしてもフィットの日和見的な反応は、やけに可笑しい。可笑しくて、ふたりで笑う。笑うと体温が上がる気がする。日和見フィットのおかげで、無人駅のホームに立つ娘の周りの気温は1℃くらい上がっているんじゃないかな。たぶん。
「だってだって、そういう設定なんだもん!」とか、
「もう! 走るのやめた」とかフィットが思ったかどうかはわからない。
「ごめんなさい。毎日ありがとう」
降りる時に心からの礼を述べたが、凍った黒のフィットは憮然としているように見えた。
玄関の前の駐車場。八ヶ岳は朝焼けに染まっていました。
「あれ? フィットの外気温表示、3℃になってる」とわたし。
「嘘だぁ。そんなわけないよ、こんなに寒いのに」と娘。
「だよねー」「おかしいねー」と話して、ふと見ると表示が-3℃に。
「あー、やだなぁ。フィット、あわてて修正した」と娘。
「嘘がバレて誤魔化したね、今の」とわたし。
翌日はいきなり-6℃だった。
「うわっ、正直すぎるでしょう」とわたし。
「思いやりが欲しいね」と娘。
「正論を言うやつは嫌われるんだよ」
「せめて-4℃くらいにするのが常識だな」
「あ、-5℃になった」「無言で、しっかり聴いてるし」
朝の寒さに切れて、ふたりフィットに言いたい放題だ。それにしてもフィットの日和見的な反応は、やけに可笑しい。可笑しくて、ふたりで笑う。笑うと体温が上がる気がする。日和見フィットのおかげで、無人駅のホームに立つ娘の周りの気温は1℃くらい上がっているんじゃないかな。たぶん。
「だってだって、そういう設定なんだもん!」とか、
「もう! 走るのやめた」とかフィットが思ったかどうかはわからない。
「ごめんなさい。毎日ありがとう」
降りる時に心からの礼を述べたが、凍った黒のフィットは憮然としているように見えた。
玄関の前の駐車場。八ヶ岳は朝焼けに染まっていました。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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