はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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忘れていた記憶を思い起こして

連休中、虫捕り少年が4度訪れた。近所の小学3年生である。
「虫を捕らせてください」
律儀に挨拶に来たが、我が家の林ではなく隣の土地だ。しかし、大スズメバチが居ることだけは伝えなくてはと、一緒に林に入った。
「上の方に、大スズメバチがいるの、見えるでしょう? 虫捕り網を振り回したりすると、攻撃されたかと思って刺されるかもしれないから、気をつけて」
「うん」
わたしと一緒に探し、少年は、クヌギの木の下の方にいたコクワガタを2匹捕まえ、帰って行った。わたしは、久しぶりに手でクワガタを掴み、その感触を、なつかしく嬉しく思っている自分を感じた。

2度目は翌朝。
夫が出て行って、やはりコクワガタを2匹ゲットしていったという。
そして、3度目。暑さも一休みしたような午後、大スズメバチが飛び交う木の上の方に少年はノコギリクワガタを見つけた。
「コクワは、もういいや」少年の目は、ノコギリクワガタに釘付けだ。
「ハシゴとか、ないの?」と、少年。夫が脚立を出して来た。
「危ないよ」
わたしがハラハラしつつ言葉を掛けるが、彼のなかにはもう、クワガタを捕まえたいという気持ちしかない。だが、脚立に上っても、彼には届かなかった。
「捕って」と、遠慮がちに少年。
夫は「やだよ」と言いつつも、脚立に上った。大スズメバチは相変わらず警戒しているかのように羽根をバタつかせている。3匹ほどいて、交替で飛び回っては、威嚇しているようにも見える。
ノコギリクワガタは、ますます木の上の方に上って行き、クワガタ捕りは難航した。それでも、夫はじりじりとクワガタを追い詰めていく。そして少年とわたしが見守るなか、彼は見事ノコギリクワガタのつがいをゲットした。
「やった!」「すごい!」歓声を上げる夫とわたし。
少年は、静かに微笑み「ありがと」と礼を言い、帰って行った。

4度目は、そのあとすぐに。「木をください」
クワガタを飼うケースに入れるために、木を取りに来た。
「2日間で12匹捕った」と、夫に自慢していったらしい。
虫捕りって、楽しいよなぁ。少年は、夫とわたしに、そんな昔の忘れていた記憶を思い起こさせてくれた。わたし達は、彼が帰った後も、クワガタを探すでもないが、林をしばらく歩いていた。思いがけず楽しい連休になった。

「オオムラサキもたくさんいるよ」と、少年に言うと、
「オオムラサキね」とスル―されてしまいました。国蝶なんだけど。
捕ってはいけないと教わっているようです。

ルリボシカミキリを見つけました。ホッとする涼をくれるブルー。

キイロヤマトンボ。初夏に見かけるトンボです。
ノコギリクワガタの写真はありません。少年が持って行ってしまったので。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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