はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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夏こそアームウォーマー

東京駅で友人と待ち合わせした際、少し早めに着いたので、駅ナカをぶらぶらした。新しくなった東京駅自体が観光名所となり、また多くの新幹線発着所となっているため、駅ナカの土産物屋風の店も、行く度に充実していく。夏休みだということも手伝って余計にぎやかだったのかも知れない。
和物の店がいくつか並んでいて、カラフルな手ぬぐいや扇子などを手に取っては、眺めた。北欧などのカラフルな食器にも目を魅かれたが、和の鮮やかさと落ち着きが心地よく、和物コーナーで立ち止まり、しばし心穏やかな時間を過ごした。そこでふと、手に取ったのが、アームカバーだった。
ガーゼのようなやわらかく軽い生地でできている。見本を広げると、親指を出す穴も開いていて、使い勝手もよさそうだった。
「奈良の靴下屋さんが、作ったものなんですよ」
若い女性の店員さんが、微笑む。
「靴下屋さんですか」
靴下屋さんが腕にはめるモノを作るというのが意外で、感心してしまう。
いやなに、考えてみれば、意外でもなんでもない。今まで、誰が作っているのかなど考えていなかっただけのことである。
運転中の日焼けが気になりつつも、何もせずに夏を迎え、迎えたばかりだと思っていた夏もいつしか暦では残暑と呼ぶ頃になってしまった。今ここでこれを手にとったのも、何かのご縁。今からでも遅くないよという、天からのメッセージか、と腕にはめてみる。
「UVカットももちろんですが、冷房対策にいかがですか?」
年若い彼女は、爽やかに言う。

そう言われ、リンパマッサージの仕事をする知人の言葉を思い出した。
「夏の方が身体は逆に冷えることが多いから、靴下履いてくださいね」
それでサンダルではなく靴を履き、東京に出てきたのだった。夏の方が冬よりも身体が冷えるのは、なにも冷房だけが原因ではない。暑いから少しでも涼しくと裸足になりがちだが、足首やふくらはぎを冷やすことで身体全体のリンパの流れが滞るのだという。暑い暑いとひどく疲れたりするのも、足を冷やしたために身体の芯の部分が冷えてしまっているから、ということも多いそうだ。
「夏は暑い」という常識的な意識を捨てることは難しいが「足は冷やさない」という意識をそれ以前に持つことならできそうだ。そして、それなら。
「腕だって、もちろん冷やさないない方がいいよね」
やわらかな風合いに魅かれたアームカバー。車中以外にも、ちょっと冷えそうな場面などでアームウォーマーとして活躍してもらおうと購入したのだった。

手染めのグッズがたくさん。見ているだけで楽しかったです。
東京駅駅ナカで日本土産を買っていく外国の方も、多いんじゃないかな。

『日本市』というのは、奈良の靴下屋さんが展開するブランド名のひとつ。
右側の藍色の部分に、親指が出るように穴が開いています。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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