はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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はりねずみのハリーとネリー

久しぶりにアジアン雑貨屋『チャイハネ』の前を通ったら、アニマル手袋が売っていた。我が家に住むはりねずみの手袋ハリーとネリーの兄弟たちだ。家に帰りさっそく手袋を出した。ハリーもネリーも虫に食われることもなく元気に夏眠から目覚めた。
「今日チャイハネで、きみ達の兄弟を見たよ」
「僕らの?」とハリー。「わたし達の?」とネリー。
「うん。真っ赤なへびくんも元気そうだったし、黒羊さんもクールだった。もちろんはりねずみもいたよ」
「もう冬かぁ」とハリー。「お外に出られるね」とネリー。
2匹とも、たっぷり眠ったせいか気持ちよく目覚めたようだ。
ちょっと気が強いハリーは左手担当。おっとり優しいネリーは右手の担当だ。ハリーは2月に左手を骨折してからわたしの手を守ってくれたし、ネリーは甲斐甲斐しくサポートしてくれた。
「手はすっかり治ったのね、よかった」とネリー。
「ありがとう。今年もよろしく、ネリー」
「今度転んだ時には守ってやるよ」とハリー。
「ありがとう。頼りにしてるよ、ハリー」
「ところで、もう一人のママは元気?」とネリー。
「しばらく僕らを預かってくれたママだよ」とハリー。
「うん。彼女もハリーとネリーに、早く会いたいなぁって言ってたよ」
そう言うと2匹は飛び跳ねて喜んだ。
去年の冬、水道橋の飲み屋で友人達と楽しく飲んですっかり酔っぱらい、何ということであろう。2匹を置き忘れてきてしまったのだ。その後ハリーとネリーは、取りに行ってくれた友人宅でしばらくお世話になることになった。そして彼女に名前を付けてもらった。ずいぶん可愛がってもらったらしく2匹は彼女が大好きだ。おかげで置き忘れたことを責められることもなく、わたしは2匹と友好な関係を築くことができ、今に至っている。ハリーとネリーと、それから友人のおかげで今年も温かい冬を迎えられそうだ。

なくしたと気づいてすぐ JRに問い合わせました
「はりねずみの形の手袋なんです」「何色ですか?」
「ベージュで目が黒、口の中はエンジで茶色の毛が付いてます」
「そのような落し物の届け出はありませんでした」

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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