はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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R2-D2始動!

我が家のR2-D2が始動した。
夫が使うスモーカ―だ。今年も彼のベーコン作りが始まった。
アウトドア派の彼は、その名の通り外で何かをするのが好きだ。ベーコンは低温で何時間も燻製しなくてはならない。夏は肉が傷みやすいので冬ならではの保存料理となるこの燻製は、寒空の下何時間も温度を計ったり、煙の様子を見たりと、わたしには絶対にできない料理だ。いつもは食べて楽しむだけだが、彼にインタビューしてみた。
「何度で何時間くらい燻製するんですか?」
「基本40度で、今日は7時間。私は最初に60度くらいに温度を上げることにしています。豚肉なので菌をとばすためにね」
「スモーカーの中はどうなっているんですか?」
「下に電熱器。これは温度を保つため。真ん中にチップ。ヒッコリーを使っています。魚にも肉にも使え香りも気に入っているクルミ科の樹木です。それに火をつけて煙を出すわけです。そして上に豚バラ肉の塊。6日間特製のたれ(ピックル液)に漬け込んで1日塩抜きしたものです」
「手間をかけていますね。何故ベーコン作りを始められたんでしょうか?」
「簡単に作れそうだと思ったからかな」
「そこに煙があるからとかではなく?」
「まあ、そうとも言いますね」「……」
夫は切ったベーコンを口に運んだ。「美味い!」わたしも、かじってみた。
「うん、美味い! 燻製の風味が(もぐもぐ)効いてますね(もぐもぐ)。本日は(もぐもぐ)インタビューにお答えいただきまして(ビールをぐいっ)ありがとうございました」
インタビューを終えるとベーコン作りの謎がほんの少し理解できた。気のせいかベーコンの味も理解できたようにはっきりとしてきた。
「その物のあり方を知ることって、実はけっこう大切なのかも」
わたしはビールを飲みつつ、R2-D2に話しかけた。彼は何かを答えるように、またはちょっとあきれるように、煙をふいっと出した。
R2-D2、おつかれさま 美味しいベーコン、ありがとう!
またよろしくね~

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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