はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
イタリアンパセリの不運?
庭にイタリアンパセリの芽が、わいわいと出てきた。何年か前に植えた苗が種を落とし毎年芽を出す。今年も初夏にちぎっては料理の彩に使っていたものが花を咲かせた。それを草刈りした際に誰かに手向けるかのように寝かせておいたら、そこからたくさんの芽が顔を出し本葉を伸ばしているのだ。おいおい、もう寒くなるよと声を掛けつつ、ひしめくように緑が顔を出す様に日々見とれている。本当なら間引きしたり温かいところに移したりするんだろうが、詳しくないので見とれたり食べたりして放っておいている。その位のスタンスで庭に付き合う方が居心地がいい。
摘まむとパセリは儚いほどの柔らかさと、生命力を感じさせる弾力性を合わせ持っていた。飲み屋で唐揚げの横に添えてある堅く丸まったパセリとはまったく違う。まあイタリアンパセリとパセリは違うものなんだけど。
夫と初めて飲みに行ったのは高円寺の居酒屋だった。
「居酒屋じゃ、パセリは、使いまわしたりするんだよ」
料理の横に添えてあったパセリを見て、彼は言った。
「ふうん」と言ってわたしはそのパセリを食べた。
それから彼はパセリについて多くを語らない。パセリについて多くを語る人なんてそうはいないとは思うけど。
「ふうん」というのは「不運」の変換前だと言ったのは森博嗣の小説『すべてはFになる』(講談社)から始まるS&Mシリーズの犀川教授だ。しかし、わたしの「ふうん」はまだ変換されていない。おしくらまんじゅうのようにして育っているイタリアンパセリは不運を感じているだろうか。食べられずに捨てられる料理に添えられたパセリよりはずっと幸せそうに見える。
小人さんの手よりも小さな本葉 霜が降りないうちにたくさん食べよう
摘まむとパセリは儚いほどの柔らかさと、生命力を感じさせる弾力性を合わせ持っていた。飲み屋で唐揚げの横に添えてある堅く丸まったパセリとはまったく違う。まあイタリアンパセリとパセリは違うものなんだけど。
夫と初めて飲みに行ったのは高円寺の居酒屋だった。
「居酒屋じゃ、パセリは、使いまわしたりするんだよ」
料理の横に添えてあったパセリを見て、彼は言った。
「ふうん」と言ってわたしはそのパセリを食べた。
それから彼はパセリについて多くを語らない。パセリについて多くを語る人なんてそうはいないとは思うけど。
「ふうん」というのは「不運」の変換前だと言ったのは森博嗣の小説『すべてはFになる』(講談社)から始まるS&Mシリーズの犀川教授だ。しかし、わたしの「ふうん」はまだ変換されていない。おしくらまんじゅうのようにして育っているイタリアンパセリは不運を感じているだろうか。食べられずに捨てられる料理に添えられたパセリよりはずっと幸せそうに見える。
小人さんの手よりも小さな本葉 霜が降りないうちにたくさん食べよう
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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