はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[1318]  [1320]  [1317]  [1319]  [1316]  [1315]  [1314]  [1313]  [1311]  [1312]  [1309

ラーメンの海苔と海のもの山のもの

所用で甲府に出た際、もしや今年の食べ収めになるやも知れぬと思い立ち、よく行くラーメン屋に立ち寄った。いつも貰っておきながら忘れがちなサービス券も手もとにある。迷うことは何もなかった。
しかし、迷ったのは券売機の前に立ったときだった。新しい味をとの思いもあり、だがここはいつものやつをとの思いもあり、迷いに迷った挙句、いつもの辛葱ばんからにした。挑戦は、麺の硬さにし、やわらかめ、普通、硬め、バリガタ、ハリガネ、粉落としと6種類選べるなかのハリガネにしてみた。硬めの麺が大好きなのである。そしてサービス券で海苔を増やしてもらった。海苔1枚増えるだけかと思っていたら、思いもかけず4枚ものっていて、ひとりうれしくガッツポーズをした。
ラーメンの海苔については、賛否両論あるようだが、わたしは海苔大好き派だ。海苔で麺を巻いて食べるのは本当に美味い。
「海のもの、山のもの」
海苔はもちろん、海で採れる海のものだ。小麦で作られたラーメンは山のもの。チャーシューも野で育つ豚なので山のもの。シナチクも葱も山のもの。
一つのどんぶりのなかに、山のものだけが盛られているよりも、海のものと山のものが盛られている。それが好きなのだ。

意識し始めたのは『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)を読んでからだった。
トットちゃんが通っていた学校は、お弁当には何を入れてもいいけれど「海のものと山のもの」をおかずに入れることが決まりだったという。
一つの器のなかに、海のものと山のものがある。その妙に簡単なバランスが、トットちゃんを読んだときからわたしのなかに住み着いた。
子育て中、身体にいいものをと考えるがあまり、栄養素の数値だとか、覚えられないようなカタカナのビタミンだとか、無農薬だとか、有機野菜だとか、思い詰めるようにそっちに向かっていった頃があった。そういうものに疲れた果てたときに、ただ「海のものと山のもの」を食べればいいんだと思うことで、気持ちが安らいだのを思い出す。
ラーメン、チャーシュー、葱と海苔。たまには、いいんじゃない。若かった頃の自分に言ってあげたくなる。そのくらいのバランスがちょうどいいかもと。

国道20号沿いにある『東京豚骨拉麺ばんから』で。
ニンニクもサービスでついています。ぎゅっと絞って、こくプラス。

拍手

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe