はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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バッカスに愛された女性

心臓弁膜症の手術をして入院していた84歳になる義母が、ひと月半のリハビリ入院の末、昨日ようやく退院した。
相談を重ねた末、バリアフリーで安心がついている高齢者用マンションに移ることを決め、昨日はその引っ越しの日でもあった。
ということで、ふたたび神戸に来ている。

「バッカスに愛されて、幸せよねえ」
というのは、義母の口癖の一つである。バッカスというのは、ギリシャ神話に登場する酒の神の名。何よりビールが好きな義母は、退院と共に解禁になるお酒が楽しみだったようだ。
「バッカスに愛されて、幸せですねえ」
わたしも、義母とビールを飲める日を楽しみにしていた。

しかし義母は、わたしなど足元にも及ばぬほど、正真正銘、掛け値なしにバッカスに愛されている女性なのだと、しみじみ思う。
何しろ、神戸の卸酒屋の娘として生まれたというだけならまだしも、これから暮すマンションは日本酒のもと酒蔵街。徒歩1分の場所には『櫻正宗』の酒蔵とそれを楽しめる食事処や資料館などもある。『白鶴』や『菊正宗』の酒蔵やもと酒蔵だった場所に建てた資料館も近い。
「子どもの頃に、酒蔵について来たことを思い出すわあ。まさか、ここで暮らすことになるなんて」義母は、うれしそうに言った。
「どうか呑み過ぎず、楽しんで暮らしてください」
自分のことを棚に上げ、そう思わずにはいられない。

黒板の壁沿いを歩いていくと、すぐに櫻正宗記念館の入口。
夫と引っ越し準備をして、ここでランチを食べました。

1階の展示スペースに入ったところ。むかしの看板でしょうか。
「正宗」という名は「清酒」の当て字に使われたことから、
日本酒の名に冠することが多いのだとか。

『櫻正宗』山邑酒造の日本酒の銘柄が、並んでいます。

20センチ角くらいの焼き印です。酒樽に押したそうです。

2階を見上げると、大きな樽を使った斬新なデザインの展示コーナー。

2階には酒造りの道具が展示され、酒造り工程のVTRを上映中でした。
むかしの電話もあって、タイムスリップしたような雰囲気。

つい「けさ」と読んでしまいますが「さけ」ですね。
2階の奥には『酒蔵ダイニング』『呑処三杯屋』があります。

ランチした1階のカフェの入口。大きな瓶と石臼が並んでいます。

店内には、レトロなポスターが何枚か掛けてありました。

酒樽の大きな蓋も、カフェの壁に飾ってあります。

特性粕汁うどんを、いただきました。いやー、酒粕の甘みが濃い!

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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