はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ディップ祭り開催

「週末は、ディップ祭りにしよう」
夫は、お祭り好きである。
今夜はバーベキューにしよう。ふたりすき焼きにしよう。などと、週末のメニューを提案するのは大抵は夫で、夫婦ふたりなのでさほど盛り上がる訳でもないのだが、美味しく酒を飲めるならと、わたしはそれを準備をするのだ。
ということで週末夫の提案で、夫婦ふたり、ディップ祭りを開催した。パンに様々な具材をのせたり浸したりして、美味しくワインを飲もう大会だ。

夫は、得意のレバーペースト。わたしは、にんにくトマト、卵マヨネーズマスタード風味、鰯のマリネを担当。そして新たなレシピ、ババガナッシュにも挑戦した。ババガナッシュは、焼き茄子と練り胡麻、レモン汁などを混ぜペースト状にしたものだ。並べると色とりどりで、楽しくなる。
たったふたりの週末ご飯なのだが、彼の楽しもうという意欲と企画には、毎度のことながら感心させられる。

それを食べながらふと、小学校に上がった頃、息子が言った言葉を思い出した。末娘が生まれたばかりで、買い物にも料理にもかけられる時間は少なく、そしてそれ以上に気持ちに余裕がなく、その夜は肉じゃがのみだった。
昼夜問わず延々と続く何時間かごとの授乳などもあり疲れ切っていたわたしは半ば自棄になり思っていた。肉も野菜も入っているしたっぷり煮たからお腹いっぱい食べてくれ、と。そのときに息子が、こう言った。
「夕飯はもっとさ、盛り上がりたいんだよね」
夕飯は肉じゃがだけ? と抗議したのではなく、心からの子どもの声だった。栄養だけが、ご飯じゃないんだよな。そう思いつつも、枷をはめられたかのように身動きがとれなかった時期の渋い思い出だ。今考えると、精一杯やってるよとあのときの自分に声をかけてあげたいくらいなのだが、当時はそうは思えず、精一杯戦ったって負けは負けと、敗北感に苛まれる日々だった。
そんなことを思いだしつつ、彩り鮮やかなディップを楽しみ、イタリアワインを空け、ほろほろと酔い考えた。いつしかそんな思い出の渋味も熟成し、また空気に触れて開いていき、甘く美味しくなるのかも知れないと。

トマト、卵、茄子のババガナッシュ、レバー、鰯のマリネの5種類。

いちばん左がババガナッシュ。庭のアップルミントをのせて。
そのお味はまあまあでした。スパイスを効かせた方がよかったかも。
花が咲いた後ですが、イタリアンパセリも少しずつ飾りました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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