はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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こうもり、アベック、パーマ屋さん

2年ぶりである。何が? 酒など見たくもないほどの二日酔いが、だ。
気が置けない友人5人での女子会で、大いにしゃべり、大いに笑い、大いに飲んだ。大いに大いに飲み過ぎた、のである。生ビールをチェイサーに、白ワインを飲んではいけない。そんなことも忘れるほどに、楽しくいい酒だった。
当然、記憶も途切れ途切れ。だが、友人が発した「パーマ屋さん」という言葉の甘い響きは、しっかりと残っている。

「この間、西麻布のパーマ屋さんに行ってさぁ」と、友人。
「パーマ屋さん?」「懐かしい響きだぁ」「いいなぁ、西麻布」
みな、口々に勝手なことを言い、彼女の話は、一向に進まない。

「えーっ、パーマ屋さんって、そんなに可笑しいかなぁ?」と、彼女。
「それ、カップルをアベックって言うのと、同レベルだよ」
「普通、美容室とか言うよねぇ?」「懐かしい響きだ」「やっぱ西麻布だよ」
話し進まず、酒のみが進む。

「いいじゃん、パーマ屋さんで。だからぁ、パーマ屋さんに、行ってさぁ」
「はいはい。パーマ屋さんね」「懐かしい響きだぁ」「西麻布のね」
いったい何を、しゃべっていたのやら。とにかく明るい色に染めた彼女の髪はとても素敵で、照れ臭そうに「パーマ屋さん」を連発するのがレトロ可愛く、5人、大いに笑ったのだった。その「パーマ屋さん」の懐かしくも甘い響きにやられ、大いに、全くもって大いに、酔っぱらってしまったのかも知れない。

翌日、二日酔いで立ち寄った駅ナカの蕎麦屋。ぼんやり、かけ蕎麦をすすっていると、レトロな言葉が、頭痛の波と共に流れていった。
「チャックはファスナーで、ズボンはパンツ? スパゲッティはパスタで、デザートはスイーツ。バナナは、おやつに入らない」
崩壊寸前である。その時だった。隣に座った70代だろうか、男性が、立ち上がった他の男性に、声をかけた。
「おう、だんな。こうもり!」
声をかけられた男性は、足元に忘れた傘を持ち、頭を下げた。
「かっこいい!」崩壊寸前の頭に、メスを入れられたような痛みが走る。
こうもり、アベック、パーマ屋さん。レトロな言葉って、時に可愛く、かっこいいものなのだ。

所用で出かけた九段下の帰り道、千鳥ヶ淵を散歩しました。

ツツジもほとんど終わっていましたが、気持ちのいい春の日。

青々とした銀杏からこぼれる、太陽の光。散歩日和でした。

女子会は、飯田橋のイタリアンで。なのに、ギリシャのワイン(笑)

あー、これ食べたの、覚えてない! 悔しい!(笑)

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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