はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[1216]  [1215]  [1214]  [1213]  [1212]  [1211]  [1210]  [1209]  [1205]  [1208]  [1207

いちばん、最初に?

旅から帰ってきた翌日、埼玉の大学に通う末娘が帰ってきた。夏休みだ。
彼女が帰省してしたいことは、まず、家のご飯を食べる。そして、しゃべる。それから、洋服を買いにいく。(母に買ってもらうのが目的)
「オムライスとハヤシライスとミートソースとハンバーグとポテトサラダと山芋のソテーと里芋の煮物と寿司と、いろいろ食べたい!」
帰省してきた日は、太った北海道新秋刀魚を塩焼きにし、夫と3人食卓を囲んだ。少しやせた彼女を心配していたが、心配はない。食欲の秋のようだ。

翌日はハンバーグやらポテトサラダやら煮物などを作り、ふたりでの夕飯。我が家のハンバーグは、玉葱を炒めないサクサク玉葱の食感を楽しむタイプだが、ソースは特に作らず、それぞれ好きなように食べる。ケチャップでもよし、大根おろしに醤油をかけてもよし。
「はて? 末娘は何をかけて食べていたっけ?」
疑問は解けぬまま、食卓に着くと、彼女は冷蔵庫からお好みソースを出して来た。お好み焼き用の「おたふく」の甘めのソースだ。
「お好みソースだったか!」思い出し、ぽんと膝を打つわたし。
娘はというと、お好みソースに語りかけている。「きみ、やせたね」
夫婦二人の暮らしとなり、お好み焼きをする機会も減った。当然、お好みソースを使う回数も減り、コンパクトサイズを買うようになったのだ。
こうして暮らしは変わっていくが、好みはそうそう変わらないようだ。

そんな娘の変わらないところをいくつか目にして、微笑ましく思った。
しゃべっている途中「いちばん最初に」と言ってしまい、彼女は「ああ、言っちゃった!」と苦悩する。「最初」という言葉は「いちばん」をつけなくとも「いちばん」の意味を持つ。「頭痛が痛い」という日本語を許せないのと同じく彼女には許せない日本語なのだ。美しい日本語を愛する彼女は変わらない。
わたしが「やばい」と言ったときなど、しらっとした顔をし「それは野の梅のことでしょうか?」などと言う。
彼女も、大学に通い、ひとり暮らしをし、ずいぶんと変わっているのだろうが、そんな変わらない彼女との時間をつかの間楽しんだのだった。

小さ目のハンバーグを、3個でも4個でも好きなだけ食べるのが我が家流。
お好みソースで、ハンバーグ。食べてみてはいかが?

拍手

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe