はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
みんな、いつも旅してる
一昨日、夕焼けが綺麗だった。
落ちていく太陽を見ると、普段は忘れていることだが、ああ、地球は回っているんだなと思う。そして夕焼けを見ながら、不意に川上弘美の短編集『猫を拾いに』(マガジンハウス)に収められた『旅は、無料』という小説の一節を思い出した。以下本文から。
砂浜に座って、わたしと圭司は、しばらくお喋りをした。風が冷たかったので、頬がまっかになった。
「旅行、またいっぱいしたいね」
わたしが言うと、圭司はうなずいた。
「いっぱい仕事して、旅行のお金、ためるよ、わたし」
「そんなに、ためなくて、いいよ」
「でも」
「こないだ本読んでたらさ」
圭司はそこで、ばさりとあおむけになった。
「こんなことが書いてあった。地球上の生活にはお金がかかるかもしれないけど、太陽の周りを年に一周する旅が無料でついてくる、って」
目の前が、突然ぱあっと明るくなった。日を隠していた雲が、移動したのだ。
「そうかあ、いつも旅してるのか、わたしたち」
「そうだよ」
みんな、いつも旅してるのさ。夕焼けがそう言っているように思えたのだ。
我が家の東側からは、八ヶ岳が少しだけ見えています。
南側に建てられたソーラーパネルにも、夕焼けが映っていました。
落ちていく太陽を見ると、普段は忘れていることだが、ああ、地球は回っているんだなと思う。そして夕焼けを見ながら、不意に川上弘美の短編集『猫を拾いに』(マガジンハウス)に収められた『旅は、無料』という小説の一節を思い出した。以下本文から。
砂浜に座って、わたしと圭司は、しばらくお喋りをした。風が冷たかったので、頬がまっかになった。
「旅行、またいっぱいしたいね」
わたしが言うと、圭司はうなずいた。
「いっぱい仕事して、旅行のお金、ためるよ、わたし」
「そんなに、ためなくて、いいよ」
「でも」
「こないだ本読んでたらさ」
圭司はそこで、ばさりとあおむけになった。
「こんなことが書いてあった。地球上の生活にはお金がかかるかもしれないけど、太陽の周りを年に一周する旅が無料でついてくる、って」
目の前が、突然ぱあっと明るくなった。日を隠していた雲が、移動したのだ。
「そうかあ、いつも旅してるのか、わたしたち」
「そうだよ」
みんな、いつも旅してるのさ。夕焼けがそう言っているように思えたのだ。
我が家の東側からは、八ヶ岳が少しだけ見えています。
南側に建てられたソーラーパネルにも、夕焼けが映っていました。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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