はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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掏摸と『ハイビスカス・ブレンド』

スタバの『ハイビスカス・ブレンド』にハマっている。
ストレート・ホットティーが何種類かあり、普通の紅茶に分類されるものは『イングリッシュ・ブレックファースト』『アールグレイ』日本茶は『ほうじ茶』インド産の紅茶にジンジャー、シナモン、ブラックペッパーをブレンドした『チャイ』ハーブティーに『スペアミント・グリーン』と『ハイビスカス・ブレンド』がある。
『ハイビスカス・ブレンド』には、ハイビスカスはもちろん、シナモン、レモングラス、ローズヒップなどがブレンドされていて、きりっとした酸味が味わえる。カフェインレスで、身体も温まり、疲れている時にぴったりのお茶だ。

なので最近、注文する時にもスムーズだ。
「ホットのハイビスカス・ブレンドをトールで」と、メニューを見ずに頼む。
すると、店の女の子に「ハイビスカス・ブレンド、お好きなんですか?」と、聞かれた。
「ここんとこ、いつもこれなの」と、わたし。
「美味しいですよね」と、彼女は笑顔を向けるが、少し面食らった。
「でも、どうして?」と、つい聞いてしまう。オーダーを受ける度に、客に聞いている訳ではなかろう。
「いえ、あまりに迷わず、注文されたので」
なるほど、と合点する。人は見ていないようで、いろいろなことを見ている。もしここに刑事の聞き込みが入ったら、あの子はわたしのことを覚えているんだろうなと思い、ちょっと悔しくなる。存在を消すためには、スタバで注文する時さえ、メニューを見て少し迷い、指差したりしつつオーダーしなければ返って目立ってしまうのだ。

今『掏摸(すり)』(河出文庫)を読んでいる。中村文則の大江健三郎賞受賞作だ。これが面白い。刑事の聞き込み時に、まるでそこに居なかったかの如く存在を消す練習をするのもまた、面白そうだ。
とりあえず、スタバでは「えーっと」と言い、メニューを見ることにしよう。

濃い赤が綺麗なハーブティー。風邪の喉にも、よさそうです。

「濃厚な時間は、その人間に再現を求めるんだ。もう一つの人格を持ったみたいに。またあの感覚を、またあの感覚をって、自分に要求してくる」
主人公の掏摸仲間で、行方知れずになった石川のセリフです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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