はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
『サラバ!』予告編
『鹿の王』を読み終えてから、面白い本に集中しすぎたときに起こる脱力感が身体じゅうを支配し、しばらく本を手にとれなかった。
気分転換に「このミス大賞」をとったミステリーを読むには読んだが楽しめず、脱力感は深まるばかり。これはもう、どーんと大物に挑むしかないと『サラバ!』(小学館)を読むことに決めた。
分厚い上下2冊。直木賞受賞作にして、本屋大賞第2位をとった小説だ。西加奈子は5冊ほど読んでいるので、相性が悪くないことも知っている。
しかし、読もうと決めた途端『サラバ!』は、わたしから逃げていった。
ベストセラーが並んだ新宿駅ナカの本屋では、売り切れ。あずさに乗り帰って来た甲府駅ビルの本屋で、やれやれと手にしてレジに並ぶも、前に並んでいた男性がややこしいことを店員に言っていて、電車の時間となりあきらめた。その夜、夫を迎えに出たついでに寄った隣町の本屋は、タッチの差で閉店時間。翌日買いに走るも、ふたたび売り切れていた。
『サラバ!』は「サラバー」と駄洒落でも言っているかの如く、するりとわたしをかわしていく。「縁」というものの不思議は、人とだけではなく、モノとの間にもあるのだということを思わずにはいられなかった。
という訳で、そこであきらめることも考えたが、考えるほどにあきらめきれず、昨日ようやく『サラバ!』は、わたしの手もとにやって来た。お隣の、そのまた隣りの市にあるショッピングモールの本屋まで車を走らせて買ったのだ。本屋で見つけ、手にした時には震えた。このチャンスを逃したら一生読めないかもしれないと、本気で考えている自分がいた。
普段は(?)フラれた相手をしつこく追いかけるようなことはしないのだが、今回に限り、見逃してほしい。追いかければ、手にすることができる「縁」もまた、存在するのである。
「僕はこの世界に、左足から登場した。母の体外にそっと、本当にそっと左足を突き出して、ついでおずおずと、右足を出したそうだ。両足を出してから、速やかに全身を現すことはなかった。しばらくその状態でいたのは、おそらく、新しい空気との距離を、測っていたのだろう」冒頭文です。わくわく。
気分転換に「このミス大賞」をとったミステリーを読むには読んだが楽しめず、脱力感は深まるばかり。これはもう、どーんと大物に挑むしかないと『サラバ!』(小学館)を読むことに決めた。
分厚い上下2冊。直木賞受賞作にして、本屋大賞第2位をとった小説だ。西加奈子は5冊ほど読んでいるので、相性が悪くないことも知っている。
しかし、読もうと決めた途端『サラバ!』は、わたしから逃げていった。
ベストセラーが並んだ新宿駅ナカの本屋では、売り切れ。あずさに乗り帰って来た甲府駅ビルの本屋で、やれやれと手にしてレジに並ぶも、前に並んでいた男性がややこしいことを店員に言っていて、電車の時間となりあきらめた。その夜、夫を迎えに出たついでに寄った隣町の本屋は、タッチの差で閉店時間。翌日買いに走るも、ふたたび売り切れていた。
『サラバ!』は「サラバー」と駄洒落でも言っているかの如く、するりとわたしをかわしていく。「縁」というものの不思議は、人とだけではなく、モノとの間にもあるのだということを思わずにはいられなかった。
という訳で、そこであきらめることも考えたが、考えるほどにあきらめきれず、昨日ようやく『サラバ!』は、わたしの手もとにやって来た。お隣の、そのまた隣りの市にあるショッピングモールの本屋まで車を走らせて買ったのだ。本屋で見つけ、手にした時には震えた。このチャンスを逃したら一生読めないかもしれないと、本気で考えている自分がいた。
普段は(?)フラれた相手をしつこく追いかけるようなことはしないのだが、今回に限り、見逃してほしい。追いかければ、手にすることができる「縁」もまた、存在するのである。
「僕はこの世界に、左足から登場した。母の体外にそっと、本当にそっと左足を突き出して、ついでおずおずと、右足を出したそうだ。両足を出してから、速やかに全身を現すことはなかった。しばらくその状態でいたのは、おそらく、新しい空気との距離を、測っていたのだろう」冒頭文です。わくわく。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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