はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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5本の鍵

夢のなかで、わたしは、鍵を持っていた。
5本の鍵は、束ねられていたが、そっくりだ。だが、わたしには一目で判る。
誰かに狙われている鍵。いつ失くしても構わない鍵。自分の部屋の鍵。誰かの部屋の鍵。そして、エレベーターの鍵。

誰かに狙われている鍵は、もちろん誰かに狙われている訳で、夢のなかでも、わたしは鍵を守ることに最善を尽くした。鍵を狙うのは常に厳つい顔した大人なのだが、その周囲には子ども達が戯れている。守っているのは子どもなのだと、漠然と思うのだが、子どもはいつか大人になる訳で、考えれば、わたしの子どもも、みな大人になっている訳で、そのギャップが縮められずにいた。
そして、わたしは、束ねたリングから鍵を外して隠すことを、思いつく。しかし、鍵はリングから外した途端、するりと、いつ失くしても構わない鍵となる。そして狙われている鍵は、しっかりとリングのなかに収まっているのだ。

目覚めてからも、しばらく鍵のことを考えていた。
手放したくないもの。すでに失くしたもの。今この現実。知ることのない現実。未知なる場所へ続く道。5本の鍵は、そんなものを象徴していたのではないか。わたしはいったい、何に固執し、何を手放すまいとしていたのだろう。

何処のか判らなくなった鍵と、キーホルダー達です。
青いキーホルダーは、15年前に乗っていた青い車のキーをつけていたもの。
黒い車に買い替えた今、ついているのは、いったい何の鍵?

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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