はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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請求書の表情

経理を仕事にしていると、よく言われる。
「数字に、強いんだね」「理系なんだ?」
夫が起こした会社も、創業20年。好きで始めた仕事ではないが、楽しくやっているのは、決して数字に強い理系脳だからでは、ない。
毎月の請求書とのにらめっこ。確認、確認に続く確認。苦手な部分は、誰しも慎重になるものだ。苦手だから、1回で済む確認を3回する。3回で済む確認を5回する。理系脳じゃない方が、この仕事には向いているのかも、とさえ最近では考える。

在宅勤務で、机上の仕事だが、五感を味わう楽しさもある。
毎月50枚以上の請求書を手に取り、経理ソフトの数字と照らし合わせ、ネットバンキングで振り込みをする。その請求書の表情が、毎月のことになると捉えられるようになる。それは、目で見るだけではなく、手触り、紙の大きさ、厚さ、色、同じA4の普通のコピー用紙であっても、全体のデザイン、文字の大きさ、バランス、日付けや請求金額、振込先を記載してある位置の違い。1枚1枚の請求書から、かもし出される表情を感じるのだ。また、振込先が地方銀行だと日本地図を思い浮かべたり、支店名でその土地を感じたりもする。
夫と話していても、会社名や個人取り引きの何某さんというだけで、ああ、何県に住む人ねとか、振込先の支店名が花の名前の会社ね、などといらない記憶が飛び出す。請求書の色がパッと見えたりもする。
全く同じ雛形の請求書がないのも面白い。似ている人はいても、同じ人はいないとでも言っているようだ。
そんな請求書の表情が、分類や探し出す時など、仕事にも役立つ。

仕事の楽しさというものは、やりがいという大きなものではなくとも、様々なシーンに見出すことが出来るものなのだと、馴染みとなった似て非なる顔の請求書達は、語ってくれているかのようだ。

リスくん、お庭でかくれんぼしています。背中が針山のリスくんです。

「オオイヌフグリさん、僕の背中の待ち針と同じ色だね」

何故、リスの写真なのかって? 最近「数字に強いんだね」と言われると、
「いやー理数脳じゃなくて、リスの右脳くらいちっちゃい脳なんだよねー」
と、ジョークを飛ばすことを覚えたからです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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