はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ロックだぜ!

「中学の頃、よく聴いてたんだ」
嬉しそうに言う夫の言葉に誘われて、ジョニー・ウィンターのライブを聴きに行った。バリバリのロックンロールである。
「途中で気分悪くなったら、外に出てていいから」
会場に入る前に彼に言われていたが、演奏が始まって、その意味が判った。しょっぱなから身体の芯に響き渡る音という振動に、一瞬お腹が痛くなり、耳はキーンとなり続けている。本物のロックンロールというものを聴くのは、初めてなのだと思い知った。
だが、気分はよかった。彼は、ノリノリでリズムをとっているし、慣れるとストレートなロックの心地よさを楽しむことが出来た。観客も同世代以上が多く、それなのにジョニー・ウィンターの髪形を真似てか、長髪にしている男性も目立ち、それが面白く、こっそり笑い「ロックだぜ」とつぶやいたりした。

「ロックだぜ」と言えば、伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』(新潮社)に登場する愛すべき脇役、ロック岩崎だ。

彼の口癖は、当然ながら「ロック」で、理不尽な仕事やつまらない雑用を押し付けられると「それはロックじゃねぇだろ」と怒り、喜ばしい出来事があると「ロックだな」とうなずいた。給料が増えた時も「ロックだねぇ」と満足げだったが、基本給の増加とロックが結びつく理由が、青柳雅春には分からなかった。             『ゴールデンスランバー』より

彼の価値観は、ロックか、あるいはロックじゃないかで、決められていた。そして、巨大な悪から、直接的には警察から追われている職場の後輩、青柳をただ信じ、逃亡に手を貸した。なぜなら、それがロックだからだ。

ジョニー・ウィンターが奏でるロックンロールを聴きながら、ロック岩崎を思い出していたら、帰り道は、ロック岩崎脳になっていた。
会場から出る際、道を譲ってもらえば「ロックだぜ」とうなずき、ゴミを座席に残しているのを見れば「ロックじゃないなぁ」と憤った。
何かの分岐点に立った時、考えてみようかな。ロックか、ロックじゃないか。案外簡単に答えが出せるかも知れない。

六本木のEXシアター入口の看板。ビールを飲んでから会場入りしました。

ハイネケンの生ビールが、美味しい! トマトとアボカドのサラダを注文。
えーっ、ほんとに、トマトとアボカドだけ? ロックだぜ!(笑)

アメリカン・ダイナーな雰囲気を楽しみ、ロックな夜に突入しました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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