はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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箸とバスタオル

神戸で暮らす義母が心臓弁膜症の手術を受けてから、ちょうど半年が経った。ふた月ぶりの帰省。会わずにいる間も日々回復していたのだなあと実感するほど、元気になっていた。しゃべり始めると止まらないところが、末娘とそっくりでうれしくなる。いや、もちろん末娘の方がお婆ちゃん似なのだが。

帰り道、台風で1泊足止めを食らい、我が家に帰ってきたその夜に、末娘が帰ってきた。正月以来の帰省である。その末娘、丸1日だけ滞在し、しゃべりたいだけしゃべり食べたいだけ食べ、台風のように去って行った。
往復4時間かけて1日でとんぼ帰りなんて、いったい何しに帰ってきたの? と言いたくなるが、彼女は自分の家を満喫していたようだ。
「のんびりする~」
「わーい、梨も葡萄も桃もある」
「すごい! 昼にうたたねができるほど、涼しい」
台風一過の後に残されたのは、洗濯物のなかで揺れる彼女が使ったブルーストライプのバスタオルのみだ。

そんな台風娘と入れ違うかのように、義母からメールが届いた。
「久々にあなた達に会って、台湾や広島の話を聞いたことなど思い出しています。お洒落なお箸でゆっくり食事をしながら。細い先まで丁寧に作られていて、こんな風にお洒落に暮らさなければと思いつつ」
宮島で土産にと選んだ優しいピンク色の桜模様の箸を、ずいぶんと気に入ってくれたらしい。義母のメールは、こう続いていた。
「よく揃って帰って来てくれました。一所懸命待っていたのだと我ながら可笑しくなります」
娘のバスタオルを見てわたしが感じるものと桜の箸を使い義母が感じるものは、似ているようでいて、たぶん同じではないのだろう。
陽の光を存分に浴びたバスタオルをたたみながら、似ているけれど、やはり同じではないふたりを思っていた。

これは我が家の夫婦箸です。モダンな模様と色が気に入っています。

この箸も、お気に入り。織部の醤油皿と一緒に。

庭と、ブルーストライプのバスタオル。

その庭では、ニラの花が咲き始めました。眩しい白。

栗の実は、どんどん大きくなっています。

ヤブランが、静かに薄紫の花を咲かせていました。

アップルミントは、伸び放題。雑草より強いです。

テッポウユリは、次々に大輪の花を開いていきます。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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