はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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日頃の行い?

ロマンスカーに乗って、箱根に来た。
「今年も、お疲れさま」と、夫が計画してくれたものだ。
あいにく雨だったが、わたしは、美味しい食事と美味い酒があればいい。天気に落胆する季節は、人生のなかで、とうに過ぎている。
ロマンスカーで座った先頭車両は展望席とうたわれた席だったが、他の車両の指定席と値段も変わらず、損得勘定も湧かない。車掌が申し訳なさそうに頭を下げつつ、フロントガラスを何度か拭きに来るのを、こちらも申し訳なく思いつつも、返って面白がって見ていた。

昔、運動会の挨拶で、何人かの校長先生が同じ話をしていたのを思い出した。
「青空の下、今日この日を迎えられたのは、みなさんの日頃の行いがよかったからに違いないと思います」
そう聞くと、いつも落ち着かなくなった。
みなさんって、何百人いるんだっけ? みんながみんな、日頃からいいことばかりしている訳なんかないんだし。だいたい自分だって、そうだし。昨日、給食の残りのパンを寄り道して放し飼いの犬(茶色い犬だからと『チャドッグ』と、勝手に名まで付けて可愛がっていた)に、食べさせたし、などと考えている間に、退屈な挨拶はいつも終わっていた。

夫とそんな話をして笑いつつ、刺身をつまみ、日本酒を呑んだ。逆パターンで日本酒を味わってからビールに切り替えたのだが、ラスト日本茶を夫が頼むと、ほんの少しだけ残ったビールが下げられてしまった。
「どうしたの?」わたしの表情が変わったのを見て、夫。
「ビビビ、ビール、まだ残ってたのに」と、泣きそうになりながら、わたし。
「それって、やっぱり」と、くすくす笑いつつ、夫。
「どうせ、日頃の行いが悪いからですよ」と、日本茶をすすり、わたし。
そのお茶は、丁度良く熱く、やけに美味しく上品な味がした。悔しい。

冷やで飲んだ日本酒は宮城の『乾坤一(けんこんいち)』と、
島根の『王禄(おうろく)』は、対照的な味でした。
乾坤一は、フルーティ。王禄は、渋めの辛口。どちらも捨てがたい!

刺し身の分厚さに、海に近づいた贅沢を感じました。

鯛の兜煮。まずその大きさに驚き、また美味しさに驚きました。

夜も更けて、窓を開けると、箱根は宮ノ下のトレードマーク、瓢箪が。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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