はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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蝋燭ライト

寝室の就寝時に灯すライトが壊れているのは、もちろん知っていた。
知っていたが長い年月のうちに、その事実は空気の如く、あって当然のこととなり、新しく買い換えようなどとは思いもよらないまま、いつの間にか10年近くが経っていた。
電気がつかなくなった訳ではなく、壊れたのはシェードの方だった。なので裸電球だが使うことはできる。買い換えの必要に迫られなかったことが、長い間放置していた大きな理由だろう。

そのライトを、新しくした。
夫とふたりで、夕食後ふらりと入ったワインバーで、見つけたものだ。
「蝋燭の灯りって、いいですよね」と、ほろ酔いで、わたし。
それは、蝋燭そのままの形をしていて、火が揺れる様まで、そっくりだった。我が家に災害用にと購入した60時間蝋燭が、同じくらいの大きさであることも、それを蝋燭だと思い込んだ原因だ。
「残念ながら、LEDライトなんです」
マスターは、リモコンでライトを消して見せた。
「おーっ、すごい!」と、夫とわたし。
「一人でやってるんで、蝋燭の火を使うのは危険もあるし、お客様が席に着いた途端、このリモコンでライトをつけると、手品みたいで喜ばれるんですよ」
マスターは、ちょっと得意げに笑った。ワインを褒められた時のように。

夫は、メーカーを聴き、さっそく注文した。
リモコンは購入しなかったが、点灯してから5時間で消える設定にでき、夜明け前、静かに明るくなっていくなか、ふっと息を吹きかけたように消える。
その柔らかい明るさに、わたしもすぐに馴染んだ。心なしか、よく眠れるようになった気がする。蝋は本物で、優しく香る匂いのせいかも知れない。

変えてみたら、快適だったり便利だったり、いい感じだったりするのに、そのままを受け入れて放りっぱなしにしていることの、何と多いことか。見直してみようかな。普段の生活。

半蔵門駅近く、こだわりのワインバー『Bapapa』
大きな木製のカウンターを生かした、シンプルな雰囲気のお店です。

寝室のライト。本物の蝋燭のように温かい光が、安全に楽しめます ♪

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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