はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『グランド・ブダペスト・ホテル』

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』を、観た。
ウェス・アンダーソン監督映画は、初めて観たが、あっけにとられた。
「かっこいい!」「かっこいい!」「かっこいい!」
映画館で、大声で叫びたい衝動に、何度も駆られる。駆られるが、例え映画館が貸切だったとしても、口を開けたまま、叫ぶどころではなかっただろう。それくらい、かっこよかったのだ。

舞台は、ハンガリーの首都ブダペストかと思えば、架空の地、ズブロフカ共和国。かつて栄えた頃、そのホテルは、ピンクが基調のスイーツのような外観をしていた。物語は、グランド・ブダペスト・ホテルを仕切っていた伝説のコンシェルジュ、グスタブと、天涯孤独のベルボーイ、ゼロのストーリーだ。

グスタブは、客をもてなすプロフェッショナル。マダム達の夜の相手も仕事のうち。彼が相手に選ぶ条件は、金持ちで、年配、金髪、そして不安を抱えていて、愛を要している。
そのグスタブに、殺人容疑がかけられる。上顧客マダムDが、殺害されたのだ。冤罪で刑務所に入ったグスタブを助けたのは、彼の人柄と、ゼロと、ズブロフカ共和国一のパティスリー『メンドル』のシュークリームだった。

映画のジャンルとしては「スクリューボール・コメディ」変化球のなかでもひねり球であるその名に、一風変わったという意味合いを込めているらしい。
声を上げて、心の底から笑い転げるコメディではない。心の奥底に隠してある、自分でも忘れてしまったような部分を、何度も何度もくすぐられるような感覚といえばいいだろうか。そうして笑いつつも、生きることの悲しさが、胸いっぱいに込み上げてくる。映像の端切れとくすぐったい気持ちが、喉元の辺りにいつまでも残って消えることのない映画だった。

こんな風に、笑わせることができるものなのだと、笑うことの、そしてそれを創りあげる人間の、深く大きな可能性を感じた。

新宿シネマカリテには、模型が飾ってありました。

グスタブを演じたのは、英国人レイフ・ファインズ。
ゼロ役は新人、カリフォルニア生まれのトニー・レヴォロリ。
ズブロフカ共和国の名は、監督が、好きなウオッカ『ズブロッカ』から
連想したそうです。ポーランドのお酒です。

ゼロの恋人で『メンデル』で働くアガサ役は、シアーシャ・ローナン。
『メンデル』の箱のピンクが、映画全体に効いていました。
ウェス・アンダーソン監督作品は、これが8作目。
過去7作品、レンタルしてこようっと ♪

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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