はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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がっついて? シンガポールチキンライス

昨年、出張でシンガポールにいった夫から「チキンライスが美味かった」と何度も聞かされた。何度も聞かされすぎて、もう味も判ったような気分にさえなっていたが、わたしは食べたことがない。
それを東京で、食べようということになった。そして日本橋にある『シンガポール海南飯店』で、初めてシンガポールチキンライスを食べた。

話に聞いていたので、出てきたものはイメージ通りだった。柔らかく茹でたチキンを切り分け、タレにつけて食べる。パクチーものせてあり、タレは葱生姜やチリソースで、アジアン・スパイシーな香りを漂わせている。細長いタイ米の鶏の茹で汁で炊いたご飯と、茹で汁のスープもついていた。
そんな訳で、食べるまでわたしは、漠然とした疑問が胸にあるのを突きつめようとはせず、茹で鶏とご飯のセットを「チキンライス」と呼ぶなんて、海外の文化って不思議であるなぁと思っていた。

しかし、食べて思わず「何これ」と言ってしまった。「美味しい!」と。
その美味さは、チキンの旨味だけじゃないのだ。タイ米だということもあり、さっくりと炊けたライスは、ご飯と言うよりサラダに近い。それは、生姜や葱以外のスパイス、レモングラスの香りが口いっぱいに広がるからなのだ。テーブルに置かれた「シンガポールチキンライスの食べ方」には、レモングラスの他にパンダンリーフ(タコ椰子の葉)の香りが効いているのだとかかれていた。この葉っぱは「東洋のバニラ」とも呼ばれているそうだ。
「これは確かに、チキンライスだな、うん」
納得した。チキンとライスではなく、チキンとその茹で汁で炊いたライスでもなく、これはチキンのライスであり、ライスの方が主役。「ライス・チキン・ライス」と名乗っても可笑しくはない料理なのだった。

ところで、シンガポールで多く飲まれているタイガービールの生があり、すっきりとした飲み心地がわたし好みで、3杯おかわりした。
そして、もう20年以上実践してきたわたし的ルールのなかに、ビールを飲んだらご飯は食べないというのがあり、オーダーしたときにはチキンライスは味見くらいにするつもりだった。それなのに、ビールもライスもこんなに美味しいなんて。ルール? そんなもの実家に置いてきました、とでも言いたくなる。テーブルの上の「チキンライスの食べ方」には、ルールなど笑いとばすかの如く「がっつくのが正しいチキンライスの食べ方です」とかかれていた。

マーライオンがお出迎えの、フードコートのような気軽に入れる雰囲気。

シンボルはライオンで、ビールはタイガーなんですね。

「野菜食べたいねー」とオーダーした空芯菜、ガーリック炒め。
見た目より油っこさがなく、ビールにぴったりでした。

来ました、チキンライス。タレは葱生姜、チリ、ブラックの3味です。

3杯目の生タイガーと、シンガポールチキンライスの食べ方カード。

ラストはホッケンミーです。いり卵入りの焼きそばは、ナンプラー味。
熱々でやわらかい麺。ライムをかけて、さっぱりといただきました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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