はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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未来と意志

WILLという英語は、未来を表すが、意思という意味も持つ。
『WILL』本多孝好(集英社文庫)を読んだ。『MOMENT』の続編、連作短編集だ。
『MOMENT』は、病院でバイトする大学生神田が死に際に立つ人々の願いを叶えていくと言う話だったが、『WILL』は神田の幼馴染みで葬儀屋を切り盛りする29歳の女性、森野の話だ。
リビングウィルとは遺言書のことであるが、直訳すると「生前の意思」ということになるらしい。未来と意思。それを森野に問いかけるように、葬儀屋を訪れる人々を綴る連作は流れるように進んでいく。
「未来ってのはいつだって、意思と一緒にあるってことだな」
18歳で亡くした父の言葉を、森野は心に留めていた。心に留めながら、そこに留まらず日々を暮らしていた。
『MOMENT』で悩み苦しみ考えていた神田が、森野を受け止める大きな存在となっているのも印象的だが、森野の考え方や葬儀屋に訪れた人々への接し方など、小さな驚きがそこここに秘められている物語だ。亡くなった父から送られてきたメッセージの意味を探す娘、自分が喪主になり葬儀のやり直しをしたいという愛人、亡くなった夫の生まれ変わりだという中学生と思い出話をする老女。森野の日々は平穏ではない。
「連作短編集だけど、最後まで読まないとだめ」
娘に言われて読み終えた。読み終えてよかったと思った。
連作短編集は、最後まで読むべきと再確認した。

わたしには、今しか見えていないのかもしれないな。
未来って、意志で変わっていくものなのか。薪を入れれば火は燃える。入れなければ消える。本を閉じ、わたしはストーブに薪を入れた。

薪を見てこれは桜、これは梅と少しは分かるようになりました
身近にある松はヤニで煙突が詰まるので燃やせません 残念!

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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