はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
永遠に付けられることのない第2ボタン
「ネクタイが似合うね」
制服でブレザー姿の娘が久しぶりにネクタイを締めていた。娘の学校は進学校ならではの自由さがあり、女子のリボンやネクタイなどは何を付けてもいいことになっている。付けなくてもOK。ショッキングピンクのスカーフだってOKだ。娘はモノトーンのチェックのネクタイをぴしりと締めていて、かっこよく見えた。しかしわたしの言葉に彼女は顔を曇らせた。
「それは何かの暗喩?」
「いやー、早くブラウスのボタンを付けろなんて言ってないよ」
「言ってるじゃん!」
娘は、とれてしまったブラウスの第2ボタンを付けるのをずっとサボっている。ボタン付けくらいは自分でやるように言ったのだが、サボり続けている。それを隠すために普段はしないネクタイを締めているのだった。たぶん、彼女のブラウスの第2ボタンは永遠に付けられることはないだろう。
「まったく誰に似たんだか」
駅で娘の後ろ姿を見送りながら口をついて出た言葉に、自分で苦笑する。わたしに似たのだ。ボタン付けくらい簡単にできるのだが、ただただ面倒でついサボる。後まわしにしてしまう。アイロンかけもおなじくで、つい溜める。
しかし、そんなわたしだが娘の制服のブラウスだけは、毎日アイロンをかけている。かけなくても着られるタイプのものだが、アイロンをかけたブラウスに娘が毎日手を通す。それだけで風邪をひかないような気がするのだ。第2ボタンがとれたままのブラウスにも、クスリと笑いながらアイロンをかける。永遠に付けられることのない第2ボタンは今何処にあるのだろうかなどと、思いめぐらせつつ。
お菓子の箱を利用した裁縫箱 リスくんとカラフルな針山がお気に入り
夫はシャツにこだわっているのでボタンをつける糸の色も様々です
制服でブレザー姿の娘が久しぶりにネクタイを締めていた。娘の学校は進学校ならではの自由さがあり、女子のリボンやネクタイなどは何を付けてもいいことになっている。付けなくてもOK。ショッキングピンクのスカーフだってOKだ。娘はモノトーンのチェックのネクタイをぴしりと締めていて、かっこよく見えた。しかしわたしの言葉に彼女は顔を曇らせた。
「それは何かの暗喩?」
「いやー、早くブラウスのボタンを付けろなんて言ってないよ」
「言ってるじゃん!」
娘は、とれてしまったブラウスの第2ボタンを付けるのをずっとサボっている。ボタン付けくらいは自分でやるように言ったのだが、サボり続けている。それを隠すために普段はしないネクタイを締めているのだった。たぶん、彼女のブラウスの第2ボタンは永遠に付けられることはないだろう。
「まったく誰に似たんだか」
駅で娘の後ろ姿を見送りながら口をついて出た言葉に、自分で苦笑する。わたしに似たのだ。ボタン付けくらい簡単にできるのだが、ただただ面倒でついサボる。後まわしにしてしまう。アイロンかけもおなじくで、つい溜める。
しかし、そんなわたしだが娘の制服のブラウスだけは、毎日アイロンをかけている。かけなくても着られるタイプのものだが、アイロンをかけたブラウスに娘が毎日手を通す。それだけで風邪をひかないような気がするのだ。第2ボタンがとれたままのブラウスにも、クスリと笑いながらアイロンをかける。永遠に付けられることのない第2ボタンは今何処にあるのだろうかなどと、思いめぐらせつつ。
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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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