はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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やわらかな関西弁の空間

神戸で暮らす義母の心臓弁膜症の手術が、ぶじ終わった。
手術室の待合室で待つ10時間。役所での手続きや、入院中の衣類の洗濯や、わたしにはやることも多かったから時間は思ったより長くなかったけれど、夫はずっとそこで待っていたのだから、ずいぶんと長く感じたことだろう。

そこには何組かの家族がいて、小さな子どもからお年寄りまで、静かに座っていた。ふと、前日義母が、看護士さんに話していたことを思い出す。
「息子もねえ、この病院で生まれたんですよ」
向かい側の椅子に座る身体の大きな男性、その隣には、男性の半分くらいの小さなおばあちゃん。たぶん母息子なのだろう。
「このおばあちゃんから、この大きな男性が生まれたってことだよなあ」
人間の命って、そのつながりって、本当に不思議だ。

翌日、ICUに顔を見に行くと、
「あっちこっちに機械つけられて、えらいわあ」
と言いながらも、義母はしっかりICUの看護士さんにしゃべり始める。
「この子ねえ、この病院で生まれたんですよ」
夫と顔を見合わせ、苦笑する。思っていたよりずっと、元気そうだ。

どやろなあ そら、えらいわあ かまへんかまへん ちゃうねんで
まあ、ええやろ どないですか ようしませんわ いややわあ

病院で聞く神戸言葉の関西弁は、静かでやわらかい。それが穏やかな空間を作り上げているかのように感じた。
病院の先生方はじめ、かかわってくださったすべての方に感謝します。

病院に向かうポートライナーから見た、朝日と港です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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