はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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夏眠からの目覚め

日曜日、夫と薪ストーブの煙突掃除をした。そろそろ薪を燃やし暖を取る日も近い。薪ストーブは3度温まると聞いたことがある。薪を割り、薪を運び、薪を燃やす。割って温まり、運んで温まり、燃やして温まる。割るのは夫だが、運ぶのは家族でやる。燃やすのはだいたいわたしの役目だ。夫はチェーンソーで山に木を切りに行ったりもするので3度どころじゃなく温まっている。
煙突を掃除し、ストーブ内の灰もきれいに取って周りを雑巾で拭いた。鉄と石でできたハースストーンというメーカーのストーブは、燃やしていない時には気持ちがいいほど冷たい。
「今年もよろしく」と冷たい石の部分に手を乗せると、ストーブが大きな欠伸をし長い夏眠(?)から目覚めるのを感じた。準備OKの返事だ。
毎日ストーブに火を入れるのはたいへんだが、早く燃やしたくなってくる。夫は待ちきれず庭で焚火を始めた。インドア派のわたしでも、火はいいなと思う。じっと見つめずにはいられない魅力があり、たぶん人を狂わせる魔力もあり、心を鎮める癒しがあり、何もかもを焼き尽くす力がある。
 
上の娘は中学の頃、よくぼーっとストーブの火を見つめていた。学校でなにかあった時なのか後ろ姿に声をかけにくい雰囲気を漂わせていることもあったっけ。そんな時には、ビールをもうひと缶開けながら傍観した。火と、娘の後ろ姿。娘が薪を入れると炎が大きく上がり花火を見ているような気分だった。
 
薪は十分にある。今年もがんがん燃やそう。
「恨みも理不尽な思いも、すべてを自分の中の悪意と共に捨てるんだよ。紙にかいて燃やすといい」
以前言われたことを実行してみようか。悪意はよく燃えそうだが、何色の炎が上がるのだろう。煙突が詰まらないよう高温で燃やした方がよさそうだ。

取っ手は木製のもので 開け閉めの時にだけ装着します
今は冷たいストーブですが 取っ手も(?)熱いやつになります

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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